私はこれまで、糖尿病専門医として、また糖尿病性腎症や先進的な糖尿病治療の研究者として、日々の臨床と研究を往復しながら、多くの課題に向き合ってきました。
とりわけ、CGM(持続血糖測定)などのデバイス技術の発展により、血糖変動という“これまで見えなかった現象”を可視化できるようになったことは、糖尿病治療の転換点となりました。
しかし、その先にあるのは「老化」、「生活の質」を見据えた研究であり、まさにそれが今、求められています。糖質代謝やAGEsの蓄積と老化の関係を明らかにし、科学的根拠に基づく食・生活習慣の再構築を目指すことが、GRACE研究の中心的なテーマです。